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ワールドソーラーチャレンジとは

2016.6.21 更新WSCコース

ワールドソーラーチャレンジとは2年に一度10月にオーストラリアで開催されているソーラーカーレースの世界大会です。ルートはダーウィンからアデレードまでの公道約3000Kmで行われる世界最高レベルかつ最も過酷なソーラーカーレースと言わています。また世界中から多くのチームが参加するため実質ソーラーカー世界一を決める大会と言っても過言ではありません。日本からも過去多くのチームが参加し、黎明期の90年代には本田技研が二連覇、大学チームが主流となった近年でも2009年から2011年にかけ東海大学がメインクラスで世界一に輝いています。また旧レギュレーション対応車両の参加が認められるアドベンチャークラス(規則が緩く有利なのでサブクラス扱い)では2007年に芦屋大学がメインのチャレンジャークラス優勝チームを上回る記録でクラス優勝しました。
2000年以降のチャレンジャークラスの優勝チームはオランダのNuon(デルフト工科大)と日本の東海大の2チームのみですが、近年では上位チームの実力が拮抗しており、前回2015年の大会では一位のNuonと二位Twenteのタイム差は3000キロ走行してたったの8分、さらに上位4チームが1時間以内という前例のない接戦となりました。おそらく2017年もかなりの激戦が予想されるでしょう。これは近年のメカトロニクスの進歩により、モーターや電気系統の効率が95%を超えるまでに進歩し、また高性能の既製部品が発売され各チームが簡単に入手できるようになった事、ソーラーパネルについても23-24%台のパネルが比較的容易に入手できるようになり性能が横並びになっている事などがあげられます。なのでここ最近のレースはほぼ空力性能とレース戦略、チーム運営で決まるといっても過言ではありません。

一方で2013年よりソーラーカーの将来的な実用化を見据えて、より実用的な乗用車に近い2人乗り以上の容積の大きな車体で争うクルーザークラスが新設されました。このクラスは車体容積と重量の増加によって増えた走行抵抗を補うために2015年まではバッテリーの容量がチャレンジャークラスの3倍まで認められて、途中アリススプリングスのみで外部電源から充電することができました。勝敗も単純にスピードを競うだけではなくそれ以外にも乗車人数、充電量、審査員による実用性審査などの得点の合計点で争われます。2015年には工学院大学が空力最重視の低ボリュームな車両を製作し圧倒的スピードで一着でゴールしましたが、審査員の主観による実用点で伸び悩み二着のオランダチームが逆転優勝となりました。このクラスはソーラーカーレースに新しい可能性をもたらしましたが、クラスができたばかりな為か規則が十分練られておらず、記録上の走行距離が0のチームが2000Km以上走行したチームより上位に来るなど規則の考え落ちなども多くみられ規則の大幅な見直し、改善の余地があったのですが、2017年からは大幅に改定され、バッテリーの制限が撤廃されエネルギー効率点と実用点の合計だけで勝敗が決められる事となりました。これにより戦略が大きく変わるので事が予想されます。

2017年の規則は2016年6月5日国際環境デーに発表されました。

大会の見どころ

ワールドソーラーチャレンジが他の大会と違うのはその過酷さです。南アフリカやアメリカ、チリの大会などでは治安等の問題によって毎日のスタートとゴールが決められていますが、ワールドソーラーチャレンジのチャレンジャークラスではダーウィンからアデレードの1区間でレースが行われます。各チームは進度に応じてその日の競技終了時間に道路脇でキャンプを行いながら競技を続けます。車体の整備や修理、炊事宿泊などを水電気はおろかトイレさえない砂漠の空き地で行う事になるため全ての装備を自己完結しなければならず、最も酷い時は夕方まだ40度近くある中で数百匹のハエにまみれながら作業を行う事になり、技術だけではなく体力、精神力、チームワーク全てが最高でなければこの大会で優勝する事は出来ません。ゆえに世界最高峰の大会といわれるのでしょう。2015年からは大会本部が用意した衛星リアルタイム位置通知装置の積載が義務付けられ、今まで分かりにくかったレースの進行状況が大会公式ページからリアルタイムで追いかけられるのようになったので、日本から応援してる皆さんも今までより楽しめる事だと思います。

近年の有力チームは、日本の東海大学、オランダのNuonソーラーチーム(Delft工科大学の学生によるチーム)、Twente大学、ベルギーのPunch Powertrainチーム(Leuven大学の学生による)、アメリカのミシガン大学などで上位をほぼ独占しています。従来は1位と2位は1時間~3時間ぐらいの差で優勝が決まることがおおかったのですが、近年は車体性能が拮抗して3000キロ走っても大きな差がつかなくなってきており、故障やペナルティなどはそれ一発で優勝から脱落する可能性もあり些細なミスも許されない厳しい戦いを一体どこが制するのかが見ものです。2015年大会で多かったのがパンクと、空力パーツとして取り付けられたタイヤカバーが故障もしくは外れてタイヤと接触するトラブルです。メディアによると東海、ミシガン、Punch Powertrainの3チームはこの故障で修理を余儀なくされていたようです。

 ソーラーカーレースの難しい所が、天候や時間帯によって得られるエネルギー量が刻一刻と変化する事です。ソーラーカーのエネルギー消費のうち最も大きいものが空気抵抗によるものなのですが、この抵抗は速度の二乗に比例して大きくなるので、速く走れば走るほど距離当たりのエネルギー消費が大きくなります。しかしエネルギーをセーブしようとゆっくり走ればどんどん離されて、道路の法定速度(多くが110km/h)があるため二度と追いつけなくなるので、天候の変化を読んで逐次ギリギリの速度設定をしていかなくてはならず、情報収集能力と頭脳、決断力が要求されます。2015年大会は最終日の天候がそれほど思わしくなかったのですが、Nuonは天気を読んでバッテリーを温存していたためか先行していたTwenteを最後にかわしてわずか8分差で優勝。東海大学もミシガン大のクレームによりペナルティを受けて後退し4位でしたが、気象衛星画像データを生かしてエネルギーマネジメントを行い、ゴール直前の最後の最後でバッテリーに余裕がなく速度を上げられないミシガンを一気に追い抜きこちらもわずか4分差で三位表彰台を獲得しました。このような史上類のない接戦だった2015年大会ですが2017年大会では車体関係のレギュレーションが大幅に変更されたため、予想がつきません。

チャレンジャークラスではこれまでは許容されてる面積のパネルを限られた車体にどうやって貼るか悩むほどででしたので、車体も縦横は許容最大サイズで設計するしかなかったのですが、2017年はソーラーパネルの面積が大きく減らされたことで、設計の自由度が格段に上がりました。たったの4m2のソーラーパネルでは得られる電力はピークでも1KW以下となり空気抵抗をよほど削減しないと2015年の上位の車体でも天候が悪ければ完走さえ危ういレベルです。なので全面投影面積を下げるために細長くする傾向になっていくとは思いますが、双胴型の場合は幅を狭くするとボディ下のトンネル部分が負圧になり抗力を増やす要因となってしまいます。個人的にはセパレートスパッツタイプの2015年Twenteや東海チャレンジャー2013年モデルのようなタイプを細長くしたような物になっていくと予想しています。

一方のクルーザークラスですが、規則トライアルになった事と充電の制限がなくなった事で戦略が大幅に変わってくる事が予想されます。4人を超えるような大人数を積む方向へ行くか、1~2人で可能な限り(できれば一度も)充電せず最低限の速度で走行しギリギリにゴールに到着する方向に分かれそうです。少なくともバッテリー搭載量を増やすような方向へは行かないと思っています。むしろ分母になってしまう出発時のエネルギー量を減らすためにチャレンジャークラスよりも少ない容量になる可能性さえあると思っています。この辺はシミュレーションすればある程度は予想はつくんでしょうが、自分のサポートするチームはチャレンジャークラスなので始まってのお楽しみとしておきます。

大会情報

World Solar Challenge 大会公式ホームページ

Zero to Darwin Project WSCやそれ以外のソーラーチャレンジ、その他エコノムーブなど日本語での情報満載です。

MostDece 英語ですが、2015年大会でかなり詳細な取材を行っていました。

その他ほぼ全ての各参加団体がFacebookページを持っています。

2017レギュレーション(大会規則)の要約

ワールドソーラーチャレンジでは公用語は英語となり、レギュレーションの発行や大会でのすべてのやり取りが英語で行われます。2017年のレギュレーションを当研究所で完全和訳し、現在主催団体へ配布許可のお伺いを立てている所です。もし許可が得られた場合は、許可された方法で希望者に提供する事も考えています。以前は自分自身詳細までレギュレーションは把握してなかったのですが、翻訳の機会にかなり深く読み込みましたので、ここでは観戦や将来の参加検討に必要な規則を抜粋してコメントを交えながら日本語で紹介していきます。

第一章 運営

前半が大会の意義とか時差などに触れられています。要点は各チームに同行するオブザーバーと大会役員は審判としての権限があり、オブザーバーの報告は事実として扱われるという事と、規則の解釈をめぐる判断は唯一スチュワードだけに許されている権限である事ぐらい。あと競技中はすべてダーウィン時間で行われるので南オーストラリアに入ったら大会の時間と街の時間が1時間ずれます。アデレードでの式典などはアデレード時間で行われます。

後半は参加手続きや権利関係に関する物です。
まず参加費ですが、チャレンジャークラスとクルーザークラスは13,200AUD 日本円で100万ぐらいとかなり高額です。ただでさえ遠征費がかかるのに痛いですが、大会規模が大きく運営費用が膨大なのでこれぐらいは必要なんだとか。申し込みは大会前年の6月5日世界環境デーから10か月間受け付けられていますが、10月末までに申し込めば参加費1割引きになるのと、好きなチームナンバーを選ぶ権利が発生します。参加取りやめる場合は申し込み期間内であれば返金が行われますが、10%の申し込み金と銀行手数料は返還されないので注意が必要です。参加の意思がかなり高いのであれば割引受けられるうちに申し込んでおいた方がいいでしょう。(なお振り込み時の手数料は参加者負担ですが、経由銀行でのリフティングチャージなどで目減りした分など少額についてはダーウィンでの登録作業の時に清算する事ができます)参加団体は参加が決まったら、日程に従って期限までに車体の仕様などを記入した書類を4段階に分けて提出していき、これが事前審査となります。

あと書かれてるので重要な事は、チームのマネージャや安全係、ドライバーなど決められた人数任命する事とチーム一人あたり30ドルの保険とソーラーカー1 台あたり約76ドルの自賠責保険費用が必要。これらの額で損害賠償と事故時の救援、航空機による病院への搬送などはすべてカバーされます。
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第二章 技術規則

クラスと車体
○アドベンチャークラス:過去に開催された有名な大会のレギュレーションに合うがWSCには合わない車体。2017年より非競技化され、単なるデモ走行となった。また今回からチャレンジャークラスのうち時間内にコントロールストップにたどり着けなかったチームはその時点で競技から脱落し、残りはアドベンチャークラスとしてアデレードまでの走行が許される。(チャレンジャークラスでの順位は通過できたコントロールストップの数なので決定)

○チャレンジャークラス:優勝者にはチャレンジャーカップが与えられるこの大会の最高峰クラスで純粋にスピードを競い、着順で順位が決定される。

車体:全長5m、全幅2.2m、全高1.6m以内で4輪
乗員:1名
ソーラーパネル:シリコン4平米以下
バッテリー:リチウムイオン20Kg以下 ≒ 5KWh(他の選択もある)

○クルーザークラス:比較的新しく創設されたクラスでレギュレーションに改善の余地があったが2017年に刷新され、現在はダーウィンアデレード間を運んだ人数と使用した外部電源(コンセントからの充電)のエネルギー量で計算されるエネルギー効率点と、審査員による実用審査点の合計で競われる規則トライアルに変更された。アデレードへの到着時間帯が6日目に指定されており、いかに少ないエネルギーでその範囲内に到着できるかを競う。2017年から優勝チームにはクルーザーカップが与えられる事となった。

車体:全長5m、全幅2.2m、全高1.6m以内で4輪
乗員:2名以上
ソーラーパネル:シリコン5平米以下
バッテリー:制限無し(ただしたくさん積むと出発時の貯蔵エネルギー量が増えるので、エネルギー効率点が下がる)で外部充電がコントロールストップ時以外はいつでも許される。

各クラス共通のレギュレーションのうち重要な物は

2013,2015年に議論を呼んだ、充電パネルや外部反射板は2017年より禁止された。それにより充電時の包絡面制限は撤廃されたが、引き続き充電に使用するスタンド類やケーブルなどの機材はソーラーカー自身に積まなければならない。

運転者の目の位置は路面から700mm以上。背もたれの角度やヘッドレストまでの距離、頭部の空間、胴体とももの角度90度以上でかかとは座面より低くなくてはならないなどが決められている。

前方後方視界の規定あり。後方視界はリアカメラでもよいがその場合は走行中はOFFにしてはならない

車体前部にチーム名などをを表示する標識スペースが必要。

搭乗員セル(キャノピーなど)の強度基準あり。安全基準が刷新され各方向への加速度で変形しないことなどが盛り込まれた。

制動距離規定、ブレーキは4輪にかかるかかる主ブレーキと、主ブレーキが故障した場合でも働くもう1系統の副ブレーキが必要。制動能力はそれぞれ別の基準が設定されている。

また両クラスともバック出来る事と、パーキングブレーキ要(副ブレーキと兼用されると思われる)

灯火類は前後と側方のウインカー(ハザード含む)、後ろのブレーキランプ左右+ハイマウント含むのみでそれ外は不要。各灯火に角度など視認要件がある。

警笛はこれまで特に音量の要件はなかったが2017年から105dB以上と最低要件が設けられた。

バッテリーユニットの換気装置(有毒ガスをドライバー後方に排気)要

バッテリーユニットは夜間取り外して鍵のかかる箱に保管できる必要あり

バッテリーセルは交換できないよう大会から支給される結束バンドタイプの物で封印できる必要がある。

高電圧系の安全モード(高電圧OFF)定義あり。ノーマルONタイプのスイッチ(断線、故障時に安全側に動作する)で車内、車外から安全モードに移行できる必要あり。(電磁開閉器など) また二重絶縁など詳細に規定されている。バッテリーセル監視システム必須(温度、電圧)。またレギュレーションには明確に記載されていないが、「故障電流の遮断装置」としてはブレーカーや電磁開閉器だけでは車検員は十分と考えていないようで(接点の溶着などのため?)、100-200A程度のヒューズを直列に入れる事が推奨される。

ドライバーの携帯品や車体のメモリ、時計バックアップ用の補助電池のみ認められるが、FIA系のレギュレーションの大会のような補機用の別枠バッテリーは認められていないので、12V系電源はメインのバッテリーからレギュレーターなどで供給する必要あり(メインバッテリー重量の余裕分3本程度別にフローティングするのはおそらくOK。ただその場合もバッテリーパック内に収納され安全監視が必要がある)。また補機用の12V電源は今回から起動に必要な低電流の制御線を除きセーフステート時も遮断しなくてはならない。12V系はメインバッテリーからはガルバニック絶縁されている必要があるので12V電源は絶縁タイプの物でなくてはならない。またバッテリーシステムに接続されているすべての配線はセーフステート時に高電圧がかかってはならない。

資格を持った認証エンジニア(日本だと技術士など?工学部卒の学士でいいような気もしますが。)による路上適合性証明が必要。

NT政府からナンバーが発給されるのでナンバーを取り付ける垂直で平らな場所が必要(チャレンジャークラスなら通常キャノピー内後部?)

主催者から提供されるGPS&衛星通信トラッカー(レギュレーションで規定された大きさの箱)を積載する場所が必要

また本大会レギュレーションでは未来の可能性も考慮しソーラーコレクタを太陽電池と明記せず、バッテリーもエネルギー貯蔵装置と表記され電気化学電池以外にも対応できるように書かれている。

第三章 競技規則関連

ダーウィンでは、特に自前の作業準備拠点がないチームは、別途定められた期間ヒドゥンバレーサーキットのパドックが割り当てられ準備作業を行う事が出来る。自前の場所があるチームは、予選時のみテントの仮設パドックが与えられる。

予選:ヒドゥンバレーサーキットで動的車検の一環として行われるタイムアタックによってスタート順が決められる。初日の公式スタート時刻は自チームの出発時刻ではなく、そのクラス最初のチームがスタートした時刻とされる。予選の順位が20位ぐらいだとスタートの時点で10-15分ぐらい失う事になる。(後続車のスタートは1分毎と言われているが実際にはそれより短い間隔でどんどんスタートしていた。)終了時刻は17時。

翌日以降の競技時間は朝8時から17時まで。17時過ぎたらその日のキャンプ地を決めて停車滞泊(キャンプ)する。17時以降10分以内ならそのまま走行し翌日のスタートを繰り下げる事で調整できるが17時10分を過ぎた分に関してはペナルティとして超過1分あたり2分翌日のスタートが繰り下げられる。17時以前の停車については調整される事はない。

コントロールストップ:ルート途中にコントロールストップが設けられ、各車は30分間の停車が義務付けられる。なおコントロールストップ中の充電効率を上げるために屋根の部分を傾けて固定する事が許されているが、パネルの角度を変更する作業は、コントロールストップの計時時間外の到着時、出発時にドライバー1名のみが行うことができる。コントロールストップの計時中は部品交換などソーラーカーには一切触れてはならないはならない。使用するスタンド、棒、ケーブルなどはソーラーカーに積載したものしか使う事はできない。

規則では規定されていないが実際のコントロールストップは以下の9か所。(RHは町ではなくロードハウス(ドライブイン)のみ)

キャサリン
ダンマラ(RH)
テナントクリーク
バロウクリーク(RH)
アリススプリングス
カルゲラ(RH)
クーバーピディ
グレンダンボ(RH)
ポートオーガスタ

さらにアデレード市内ゴール地点の1Km手前にサポートカーを分離&駐車しバスに乗り換えゴールへのパレードランを行う為の停車スポットがあり、ペナルティが残っている場合はここで消化する。

ペナルティ:オブザーバーやオフィシャルの報告に基づき、重大な違反に対して競技委員長よりデメリットポイントが与えられる。デメリットポイントは1ポイントあたり30分のペナルティストップとなり、3ポイントで失格となる。またペナルティは競技中だけにかかわらず、車検準備時やテスト時などいかなる時、いかなるチーム関係者の車両による違反行為もペナルティの対象となるので注意。(主催者は登録外の車両についてもそのチームのために行動しているとみなすことが出来る。)

1デメリットポイントとなる違反は
・他の道路利用者への妨害
・路上での停車
・不十分な安全手順(路肩停車時、旗、笛などを用いての手順)
・道路に近すぎる場所での夜間活動(10m以上必要)
・伴走車無しでの走行
・フラッシュライト無しの伴走車の走行(伴走時)
・後方視界無しでの走行。

競技委員長の裁定となる違反は
・スリップストリームや手押しなど押す行為
・追い越し車両への妨害(これは固定にも入ってて矛盾)
・ルート指示に従わない
・オフィシャルや警察の要求に従わない
・故意による妨害や損壊
・コントロールストップで停車しない
・制限速度超過
・渋滞などの制限のない時に100km/h制限の所を50km/h以下で走行
・煙、埃、雨などによる視界不良下での走行

ペナルティは2017年より複数いるRed-Shirtsではなく、Clerk of the course;競技委員長のによって決定されてコントロールストップ時言い渡される。

ペナルティは固定に関しては競技委員長が指定するコントロールストップで行う。

ペナルティ対しては通知から1時間以内にスチュワードに控訴できる(控訴費用$500)スチュワードは公聴会を開いたりして意見を聞くことが出来るが、この公聴会での決定は最終的で拘束力を持つ。

抗議はその物事の発生から12時間以内に申し立てる事ができる。(抗議費用$200)

(これまで一部の国のチームによる、ライバルチームへのビデオ撮影などによる徹底監視を行って軽微な交通法規違反を密告しペナルティを与えるという手法が用いられた。またペナルティ裁定者が競技委員長の代理や補佐など複数いて、比較的簡単に抗議を受け入れてペナルティを科したためこの傾向はさらにエスカレートし、レースと関係ないサポート車までターゲットになったため、筆者含め懸念の声が上がっていた。しかし今回からペナルティーはオブザーバーとオフィシャルの報告により競技委員長が下す事と改定されたため、ぜひ運用上でもこれらの手法を受け入れないよう期待される。)

市街地基準点点:市街地での渋滞や信号のタイミング等で順位が決まるのを防止するためにアデレード市外の基準点(これまでは、St Kilda Rdとの交差点)を通過後の追い抜きは、追い抜かれたチームがバッテリー切れなどを起こさず交通の流れに沿ってゴールまで走行した場合は、基準点通過時の順位になるよう到着時刻が調整される。もし途中で交通の流れについていけなくなった場合は、追い抜きは有効とされ調整は行われない。

第四章 達成と祝典

表彰がらみです。順位の決め方やクルーザーの採点方法などが書かれています。

チャレンジャークラスは全区間を完走し、ゴール1キロ手前の先導ポイントに到着した順に順位付けされる。また完走できず途中でアドベンチャークラスへ移行されられたチームは、時間内にクリアしたコントロールストップの数と、最後にクリアしたコントロールストップの到着時刻で完走チームの下に順位付けされる。

クルーザークラスは、アデレードの先導ポイントに、決められた範囲の時間に到着したチームのみ順位付けされる。順位はエネルギー効率点80%と、実用点20%の合計で決定される。エネルギー効率点は 運んだ人数×距離/使用した外部エネルギー量(スタート時の満充電のバッテリーも含む)で決定される。詳細はレギュレーション参照のこと。

なお表彰式は20人分のチケットが各チームに支給され、追加分は有料で購入となっています。各チームの資材置き場として空港とシティの中間ぐらいの所に梱包のための露天施設が提供されます。

 

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